いよいよ始動!NSX専用KSP製LSD/ファイナルギヤ開発!
こんにちは。
KSP商品部の「ヤス」です!
いよいよ、長年、構想を練っていた
NSX専用KSP完全オリジナルの
LSDキットおよびファイナルギヤの
開発が本格的にスタートしました!!
今日に至るまでも、
KSPではNSXのLSDを
多数組んできた実績があるのは
周知の事かと思いますが、
「何故、今になって!?」
という話かと思われる方も
多いかもしれません。
ご存知の通りKSPでは過去にも
オリジナルLSDを販売していましたが
ここ数年、販売を自粛していた
経緯があります。
何故なら、従来の概念では
LSDという製品であれば
アフターパーツとしては
当たり前なのかもしれませんが
KSPの考えとしては
全てのお客様にはなかなか
お薦めしにくい作動音や走行音などが
存在していたからです。
NSXを手に入れて、
今後、ステップUPを検討されている方、
既に既存のLSDを組んでいる方、
様々な方がいらっしゃると思いますので
ここで、改めて基本的な事から
今回の新製品の特長に至るまで
ご案内させて頂きたいと思います。
まず、なぜNSXにLSDが必要なのか!?
LSDの基本的構造や詳細に関しては
この場では省略させて頂きますが
ミッドシップであるNSXの場合は
他のエンジン/ミッションレイアウトの
車と比較してトラクションが
掛りやすいという利点があります。
しかし、LSDが無いと
コーナーリング時の
内輪側をかいてくれないため
アクセルを入れても車が
前にうまく進んでくれません。
この事がLSDを入れる代表的な
メリットとなります。
では今までの製品および構造のLSDの場合、
そのデメリットとは!?
問題、その①
【LSDの効きと異音の発生】
スポーツ性能の優先性と
生産コストの兼ね合いから、
「異音」がその代償として存在するのも
また事実となっていました。
いわゆる「チャタリング」と
呼ばれる症状です。
機械式LSDでよく聞くチャタリングとは
「バキバキ」
「ゴキゴキ」
という表現で表す様な
金属がズレる様な音です。
既存構造LSDのセットUP方法として
簡単に説明すると、LSDが効く状態、
左右輪が連結する様な状態ですが
この状態を作っているのは
プレッシャープレートの
圧着によって生み出されています。
この圧着力はイニシャルトルクとも
言いますが、強すぎても弱過ぎても
いけないものです。
イニシャルトルクが強いと
LSDとしては良く効きますが、
その半面、
交差点を曲がる際や
車庫入れの切り返し
つまり内外輪差が大きい状況では
動きがギクシャクしてしまい
乗りずらい車になってしまいます。
いわゆる「デフロック」状態ですので
サーキット専用車輌であればまだしも
一般に乗る車両としては、弊害も
多くなってしまいます。
逆にイニシャルトルクが弱ければ、
当然、LSDとしての効きが弱まり、
内部のプレッシャープレートが
動き、チャタリング(異音)の
原因となります。
従来構造のLSDの場合、
イニシャルトルクを上げ、
効きを良くすれば、
寿命の短さと乗りずらさが表れ、
下げれば、LSDは効きにくく
チャタリングの原因にもなる。
これは構造的に納得するしか無い
問題でした。
しかし、これらの問題は
「既存の構造」であるからのもので
今回、新開発しているLSDは
イニシャルトルクは非常に弱く
それでいて、LSDの効く際の効力、
およびレスポンスにおいても
非常に優れた性能を発揮する
新設計となっております。
この新しく開発しているLSDは、
純正系メーカーのLSDのノウハウを
採用、反映している信頼性の高い
大手企業と共同開発を進めています。
メーカー系のLSDは
異音が発生する様な事は無く
しっかり効くと思いますが
こういった技術を採用する事で
非常に信頼性が高いのも
今回、新たに開発するLSDの
重要なポイントとなります。
横置きエンジンのNSXは
ミッションおよびファイナルギヤが
一体とのケースに収まっている訳ですが、
新規のLSD開発にあたり
ファイナルギヤも同時に
新規に製作し、LSDとセットで
ラインナップ致します。
もう1つ重要なポイントとしてあるのが
「ファイナルギヤ」です!
問題、その②
【ファイナルギヤのギヤ鳴り】
ファイナルギヤについてですが
横置きエンジン/ミッションの
NSXの場合、FRレイアウトなどの
車輛と比較してスペースが狭いのは
もちろんですが、故に生産難易度が
高い傾向にあり、
実はファイナルギヤからも
LSD本体からの異音とは異なる
異音「ギヤ鳴り」が出やすい傾向にあります。
ギヤ鳴りの原因は
おおよそ判断出来ていたのですが、
ここはコスト面の兼ね合いや
従来構造のアフターパーツの特性から
自ずと「出てもしかたない」という認識が
当たり前になっていたのですが・・・
競技車輛でもない車輌での異音は
やはり改善すべき!という判断から
これも今回の製品で改善する様に
進めています。
これら異音と性能・価格は
密接な関係性にあり、
長年KSP社内でも
課題となっていた問題でした。
「LSDからのメカニカルな音は
致し方無いもの」
今までは当たり前の事だったのですが、
今回、開発しているLSDは
・異音がしない前提
・ドライバーに違和感を与えない
・LSDの差動力が犠牲にならない
・LSDの作動レスポンスの向上
これら相反する内容を完全に
クリアする事を前提に開発しています。
そして、ファイナル変更に伴う
絶大な加速力が味わえる!
機械式LSDの特性とファイナルギヤ変更は
ノーマルでは絶対に味わえない
NSXの秘密兵器と言っても
過言ではありません。
ファイナルギヤのラインナップ、
つまり製品のラインナップは
5MT用 4.4/4.2
6MT用 4.4/4.2
以上の計4種類を設定!
加速力重視の場合、4.4の方が
優秀なのですが、実は走行する
シチュエーションによっては
シフトチェンジが忙しすぎたり
ギア比が合わなくなってしまったり
そんなお客様からの要望にお答えすべく、
アフター品としては今まで無かった
4.2もラインナップする予定となっております。
販売開始時期は、今年の夏頃を予定。
数量を決めて生産となりますので、
完成数には限りがございますので
予めご了承下さい。
開発状況は追ってご案内させて頂きます。
今後も進化するKSP製品に
是非期待して下さい!
(追記)
本製品は準備が出来次第、
KSP.WEDにて先行予約販売の受付を
開始致します。開始致しましたら
改めて告知させて頂きますが
ご案内の通り、生産数には限りがございます。
生産枠が一杯となってしまった場合、
次回生産時期は最低でも
今秋以降となりますので、
ご検討の方は、お早めにご予約頂けますよう
お願い致します。なお、お電話でのご予約は
順次可能ですので、
お気軽にお問い合わせください。