「NSX専用KSP製LSD&ファイナルキット」サーキットテスト及び量産品進捗状況
こんにちは。
KSP商品部の「ヤス」です。
現在、量産ロット製作を進めておりますが
生産工場からの進捗状況になります。
こちらはLSD本体のケースになります。
既に外観の大まかな形状は完了してます。
こちらはLSD内部のギアですね。
こちらは、まだ製作途中ですが
完成するとこの様な形状になります。
こちらはカウンターシャフトです。
最初の旋盤加工を終えると・・・
この様に仕上がります。
まずは最初の工程を進めていき
次に歯研加工を施していきます。
製作状況は、順次ご案内させて頂きますので
もうしばらくお待ちくださいませ。
m(_ _)m
続いて先日、プロトタイプを組ませて頂いた
NA1 タイプRのお客様からのご報告です。
元々、このタイプRには
KSP従来品の4.4ファイナルLSDが
装着されていましたが、
不快なギア鳴りに悩まされていた状況で
今回は新製品のLSD開発の為のデータ取りという事もあり
オーナー様のご協力で
「4.2ファイナル」の製品を組ませて頂いています。
今回は、この4.2ファイナルを組んだ状態で
サーキットテストを実施して頂きました。
ここで、基本的なおさらいとなりますが
ファイナルギアの数値とは、
数値が高い方(多い:4.4)が加速力重視の方向
数値が低い方(少ない:4.2)が最高速重視の方向
という様なセッティングとなります。
これをふまえ、今回のサーキットテストでの場合、
最高速がNSXのパワーで250km以上になる様な
サーキットではないため、6MTと4.4ファイナルの
組み合わせでもギアの頭打ちを起こさず
走れる状況でのテストとなります。
簡単に考えるとギアが吹けきらねければ
一概に言いきる事は出来ないのですが
4.2ファイナルよりも
加速力のある4.4ファイナルの方が
タイムを削りやすいという事が言えます。
ただ、この「加速」という問題ですが
4.4の方が加速力があっても
シフトチェンジが忙しくなるという事も
併せ持っています。状況によっては
4.2の方が加速とバランスの両立が
とれている場合もあります。
事実、タイプR純正ファイナルギアは
4.2ファイナルですので、総合的に
判断した場合は、必ずしも4.4の方が
4.2よりも優れているとは言えませんので
ご自身の使用環境によって
オーナー様が決定される方が良いかと思います。
以前に4.4ファイナルを組んでいて
今回は4.2ファイナルでの走行ですので
サーキットタイムアタックとしては
セッティングが異なるため状況となるため
気持ち良く走行できるか不安な状況でしたが
ご協力頂き走行して頂きました。
走行にあたって、基本的な車輌の仕様は
タイヤ(中古ラジアル)も含め以前のまま。
本来の走行上の目的がサーキットの様な
高負荷環境での確認テストでしたので
タイムアップは目的では有りませんでした。
ところが、結果としては・・・
「ベストタイム更新」してしまいました!
「オーナーインプレッション」
LSDは、イン側の空転は全く感じない程良く効いてる感じです🎵
でも、アクセル開度5~10%くらいでの領域だと逆に効きすぎてしまっているようで、コーナー途中の微妙なアクセルON/OFFでちょっと唐突気味にリアが動いてしまうのが、少し気になりました💦
以前にKSP従来品を装着頂いているので
LSD本体の作動特性が従来品と異なるため
扱い方に少し戸惑いが有ったようですが
それでもベストタイムの更新は
思いもよらない収穫となりました。
先程もお話したように車輌の仕様は
タイヤも中古、足回りやエンジンはもちろん
基本的な仕様変更は一切なし
そしてファイナルギアによる加速力はダウン・・・
この環境でのベスト更新の理由を考えると
「LSDの特性変更」でしかありません。というより
それしか理由が見つかりませんでした。
※ちなみに走行気温も決して極寒ではありません。
KSP従来品でも例外ではなかったのですが
一般的なアフター製品のLSDの場合、
LSDのレスポンス(ロックするまでの時間)を
意図的に調整する傾向の構造で
製作されている事が多いです。
その理由は「ストリートでの利便性」にあります。
一般的なアフター製品の場合、
アクセルON時のロックする力は
製品の構造によって決定されてしまっています。
ロックする力はLSD内部のプレート枚数によるものであったり
する訳ですが、そのロックするに至るまでを
LSD内部のバネの力で意図的に時間差を付ける事で
ストリートでの利便性を図っている訳だったりもします。
しかし、言い方を変えると
「LSD性能を空回りさせる時間」を意図的に
作りだしているとも言えます。
今回、KSPで製作しているLSDは、
従来品とは、構造そのものを変える事で
LSDらしい性能ははっきりさせる
まったく新しい考え方を提案しています。
これは従来品構造では出来ない事で
他には無い新たな機構で可能とした
性能となります。
先程もご説明致しましたが
KSP従来品を含め、ほとんどのLSDは
オーバーホールおよび内部部品の
仕様変更を行わない限り、LSDの
基本性能を変更させる事は
構造上出来ませんでした。
それは、LSD内部のイニシャルトルクを上げ
予めLSDが効く様な状況を作り出すことで
レスポンスを上げたりできますが
反面、チャタリング発生の要因とも
なってしまう事も。。。
今回のKSP製LSDの場合、
内部構造の切り替えだけで
大きく4段階の特性にセットUP可能という
いままでのLSDでは考えられなかった発想を
可能にした、まったく新しいLSDとなります。
KSP製LSDは1製品で4段階区分で
LSD特性を選択する事が可能な構造で
製作されています。
・サーキット仕様(Sタイヤ以上推奨)(今回テスト仕様)
・スポーツ仕様
・標準仕様(製品基本設定位置)
・ストリート仕様
KSP製LSDの特性として
非常に優れている点は
アクセルON時の「レスポンス」にあります。
アクセルON時に瞬時にLSDとしての機能が
発揮されます。これは、KSP従来品を含め
ほとんどのアフター品とは異なる事になり
各製品においてもレスポンスにおいては
差は発生致しません。
このレスポンスは内部構造により
生み出しているものとなるため
内部のイニシャルトルクは極端に
低い設定となっています。
つまり、チャタリングはほとんど
発生致しません。
では、
各仕様の決定的な違いは・・・
アクセルON時の「左右輪のロック率」にあります。
サーキット仕様のロック率を100%とすると
スポーツ仕様では75%程
標準仕様では50%程
ストリート仕様では25%程の
ロック率となります。
ただし、このロック率を低くすると
中のディスクが摩耗してしまう様な
イメージがあるかと思いますが、
こちらも従来品とは異なる独自の
ディスクを使用していますので
ロック率を変更しても
摩耗速度が上がってすまったり
チャタリングの増減が起きてしまう様な事は
ございませんのでご安心ください。
(KSP製LSDの場合、チャタリング音はほぼ皆無です)
ちなみに一番ロック率の低い
ストリート仕様のロック率のイメージは
ヘリカル式LSD程の効きで、
サーキット仕様のロック率のイメージは
セミスリックタイヤ以上の
タイヤグリップ力を想定したイメージと
なりますのでご参考になればと思います。
今回のオーナーさんからのインプレッションで
ハーフアクセル時に感じた症状は
タイヤ(ラジアル)のグリップ力に対して
LSDのロック率が勝ってしまっている
状況下だったのかもしれませんので、
ラジアルタイヤでの走行の場合は
ロック率を1段落した方が
走りやすくなるのかもしれませんね。
ただ、
LSDの特性の違いに惑いを感じながらも
4.4ファイナルよりも加速力では劣る
4.2ファイナルを装着しても
ベストタイムを更新したという事実は
今回のLSDが従来品LSDよりも
車両を一歩前へ進ませている
LSD本来の性能でタイムUPの
大きな要因となる結果が出ましたので
嬉しい結果となりました。
ただ今、頑張って製作しておりますので
ご注文頂いております方々には
大変お待たせし誠に申し訳ございませんが
もうしばらくお持ち下さいませ。
m(_ _)m
いよいよ、初回製作ロット数に対して
残り枠も少なくなってきました。
以前にご案内させて頂きました様に
このLSDキットは生産数を決めて
製作しております。
現時点では、まだ次回生産までは
時間がかかる状況ですので
ご要望の方はお早めにご予約頂けますよう
宜しくお願い致します。
m(_ _)m