BNR34にHKS2.8L+TO4Zを組み合わせたエンジン製作記録です。
ちょっと長くなりますが、興味ある方だけ覗いてみてください。
ストリート仕様の中ではこだわって製作したつもりです。
今回使用するHKS製クランクです。 | |
今回はR34のN1ブロックを新品購入して 組込ます。 |
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組込前にブロック上面のひずみを点検しておきます 新品でも結構バラツキがあるんですよね〜(^_^;) |
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ピストン径が87φなのでボーリングに出しました。 当然ダミーヘッド付きの加工になります。 |
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加工から戻ってきたブロックを徹底的に洗浄します。 この洗浄だけでも数時間を費やす事もあります。 特に新品ブロックはバリ等がでている場合があるので、その辺を削除しながらの作業になります。 |
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洗浄が完了したブロックです。 あとは組み上げていくだけ?です。 |
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組み上げる前に各部の寸法をチェックしていきます。 まずはボーリングが指定どおり上がってきているかの確認です。 現在、加工をお願いしている業者は非常に丁寧に仕上げてくれますが、以前お願いしていた別のところはでは何度か痛い目を見ています。(>_<) |
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次にメタル選択の為にクランク寸法を測定します。 今回のHKSのクランクは非常に精度がでていて気持ち良かったですね〜(*^_^*) |
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ブロックの内径も測定しておきます。 これも純正のなかではバラツキがあります。 アタリ・ハズレが大きいと言ったところでしょうか? 量産品なのでしょうがないと思いますがGTRのエンジンパーツだけはハズレがないようにしてほしいという思いがあります。 |
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コンロッドの内径も測定します。 | |
測定時の温度も確認します。 基本は常温(20°)でのクリアランスが指定です。 |
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重量バランスを取るため回転部品の重量を測定 しておきます。 |
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ピストンの外径も測定しておきます。 ブロックとのクリアランスがブローバイ量を左右します。 |
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測定時のピストン温度も確認しておきました。 室内温度は常温でも部品温度はちょっと低めなんですよね〜。 |
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各ピストンの重量の測定も当然行いますが、 最近の社外品は0.1g単位の誤差でそろっています。(^^) |
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ちなみにボールペンのキャップは1.4gでした。 (^o^) |
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重量のバラツキが無いように各部品の組合せを決定していきます。 | |
ピストンを組み込む前にリングのあいぐちも調整していきます。結構これが面倒な作業です。(T_T) 削り量が多いときは悲しくなります(笑) |
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6気筒のエンジンは腰下だけでも測定箇所が120カ所以上になります。 かなりの手間になりますが、これを行う事により自信をもってお客さんにエンジンを手渡せます。 |
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いよいよ組み付け開始です。 まずはオイルジェットを取付します。 これはピストンの裏側にオイルを噴射してピストン温度を下げる為の部品です。 |
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今回はニスモのメタルを組み込みます。 F112材にニスモ独自の新オーバーレイメッキを 施した物です。 |
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クランクキャップに選択したメタルを組込ます。 | |
ブロック側にも組込します。 穴があいているところからオイルが供給されます。 |
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クランクを組込みプラスチゲージで実測値を確認します。 マイクロやダイヤルゲージで測定した計測値と大きな差が無いことを確認してOKならばそのまま組込ます。 |
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クランクが組み込まれた状態です。 この状態ではトルクはゼロで回転します。 引っかかり等が無いことが確認できたらOKです。 |
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次にピストンにリングを組み付けます。 リングには向きがあり、1T/2Tと刻印がある方を トップに向けます。 この向きを間違えるとオイル上がり・ブローバイ過多と言ったトラブルが起こります。 |
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リングを専用工具を使用してピストンに組み付けます。 この工具はリングの一部に力が集中しないので非常に便利です。 |
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リングを組み込んだらリング溝の間のサイドクリアランスを確認します。 社外ピストンは純正数値より狭めにとる物が多いようです。 というより純正より大きい物はいままで一度もありませんでした。(^^)b |
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これでピストン組込準備OKです。 | |
リングコンプレッサーを使用してピストンを挿入していきます。 このときにリングの破損が無いように細心の注意をはらいながら、押し込んでいきます。 基本は優しく挿入ですかね〜(*^_^*) |
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コンロッドキャップの締め付けはトルクレンチと 角度レンチを使って組み付けます。 このときもプラスチゲージで実測値を確認しておきます。 |
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組み付け終了したらコンロッドサイドクリアランスも 確認しておきます。 |
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これでほぼ腰下完成です。\(^^)/ 一応この状態でのクランク回転起動トルクを確認します。仕様にもよりますがだいたい1.3k〜1.7kの間で収まるはずです。 |
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次にオイルパンの装着ですが、今回は東名のバッフルプレートを取付します。 多少の加工が必要です。 |
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このように前後左右に隔壁を設けてオイルの片寄り防止をしています。 | |
オイルポンプはHKSの強化品を使用します。 今回の常用回転数は8000rpmをリミットに考えていますが、シフトミスなどのオーバーレブ対策でポンプを強化品にしました。 |
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オイルパン・ポンプがつきました。 | |
後はヘッド待ちの状態にはいりました。 | |
ヘッドの作業開始です。 RB26のEX側はポートの中に突起があります。 今回はその突起を削り落とします。 |
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リューターで削り落としました。 | |
次に削り落とした部分を磨いてなだらかにします。 | |
磨き終わったポートです。 段付きが綺麗になくなりました。 |
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これを6気筒行うとちょっと疲れます(笑) ポート研磨よりは全然楽ですが(^^) |
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ヘッドの加工は面研も行いました。 修正を行う目的もありましたが、今回は圧縮比を高めに設定するためでもあります。 |
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圧縮比の計算をするため燃焼室の容積を測定します。ハードチューンの場合は各気筒の容積合わせも行いますが、今回は測定のみです。 | |
ヘッドにバルブを組込ヘッドASSYの完成です。 |
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ブロックとヘッドを組合せました。 ガスケットは1mmを選択しました。 計算上の圧縮比は9.203になりました。 ストリートを気持ち良く走行するためのKSP流の考えで、この仕様に決定しました。 カムもあえてポンカム程度のスペックに抑えて、いつでも気兼ねなく乗れる仕様を目指しました。 |
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シム調整を行いながらカムを装着していきます。 この値が適正値でないとバルブタイミングも狂ってくるので慎重に行います。 |
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カムが装着できたら基本となるバルタイを設定していきます。 面研やガスケットの厚みにより今までのバルタイも変化するので再度調整していきます。 |
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サムコのヒーターホースkitを取付しました。 これは純正が特に劣化していた訳ではないのですが、今後の耐久性や見た目(笑)で交換しました。 |
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格好良くなりました(^^) | |
こちらはサージのしたで普段見えないのですが… 見えない部分へのこだわりということで(笑) |
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エンジン完成です。 タービンはエンジンが車輌に載ってから装着になります。 |
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エンジンが載りました\(^^)/ タービンを組み込んでもうちょっとで完成です。 |
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このタービンキットにはGTウェストゲートUが付属されていました。今までのものと比較するとかなり大きさが違います。 600PS前後のRBであればnewタイプの方がマッチングがいいと思います。 |
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エンジン完成です。 結果的には当初の目標通りの仕様になり エンジン製作側も納得のいく出来になりました。 (^_^)v |